遅延型食物アレルギーとは
食物アレルギーには即時型(IgE)と遅延型(IgG)があります。食物アレルギーというと、一般的には即時型を指すことが多く、即時型は、数時間以内にアレルギー反応が出るためアレルギー源を特定するのが容易です。
一方、 遅発性のアレルギー(IgG) は、アレルギー反応が出るまで数時間から数日間とゆるやかであるため、アレルギー源の特定が難しく、この遅延型食物アレルギーを引き起こす抗体(IgG抗体)は、その間にも体内で慢性的な炎症や組織変異を引き起こし、細胞の老化や各種免疫疾患にもつながります。また、IgG抗体は血中抗体の約70-75%を占めており、唯一胎盤を通過できる抗体です。
遅延型食物アレルギーと関連する症状
食品の栽培・加工技術などが向上し、旬を問わず一年中ほとんどの食品を食べられる現代では、好きなものを長期間続けて食べる傾向にあります。また、健康のために体に良いとされる食品を毎日意識的に摂取する傾向もあり、そのように日ごろから積極的に好んで食べている食品が反応していることが多くあります。
呼吸器 | 咳、喘息、鼻炎、気管支炎、中耳炎、副鼻腔炎、咽頭炎、間質性肺炎 など |
皮膚 | 湿疹、じんましん、かゆみ、むくみ、皮膚炎など |
胃腸 | 消化不良、吐き気、嘔吐、過敏性腸症候群、下痢、膨満感、腹痛、食欲不振、便秘、胃炎、体重増加など |
筋骨格 | 関節痛、腰痛、滑液包炎など |
自己免疫 | 関節リウマチなど |
神経 | 感情起伏、不安、ゆううつ、集中力不足、疲労感、頭痛、不眠症、片頭痛、不安症など |
泌尿生殖器 | 夜尿症、慢性膀胱感染症など |
その他 | 筋肉痛、関節痛、関節の炎症など |
症状は様々ですが、症状が緩徐であることや免疫疾患や慢性疾患の原因となっていることもあると言われており、病気予防や免疫力向上のための食生活を考える上では非常に重要な検査と考えています。
検査でアレルギー源の食品が特定出来ましたら、アレルギー食品の摂り方についての食事指導や、腸上皮の炎症改善、腸内細菌叢の回復など、複数のサプリメントを組み合わせて治療を行います。
非常にたくさんの食品に対して強い反応が見られる場合は、必要に応じて、悪玉菌の増殖やイースト、真菌増殖などの腸内細菌叢の乱れや腸管浸漏症候群(Leaky gut syndrome)が疑われ、総合便検査(海外ラボでの便検査で、腸内細菌の培養、消化酵素、短鎖脂肪酸、粘膜IgA、食物繊維など)や腸管上皮透過性検査をお勧めしています。その結果を見て、抗菌薬や抗菌作用のあるサプリメントを処方したり、食事内容の改善をアドバイスします。
検査項目
96品目と219品目の検査がございます。それぞれの料金についてはこちら。
96品目 | |
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野菜類 | たけのこ、もやし、にがうり(ゴーヤ)、ブロッコリー、キャベツ、にんじん、カリフラワー、セロリ、きゅうり、なす、にんにく、海藻、ねぎ、レタス、きのこ類、オリーブ、たまねぎ、ピーマン、さつまいも、じゃがいも、かぼちゃ、ほうれん草、トマト |
乳製品 | カゼイン、チェダーチーズ、カッテージチーズ、牛乳、ホエイ(乳清)、ヨーグルト |
肉類 | 牛肉、鶏肉、卵白、卵黄、ラム、豚肉 |
穀類・ナッツ類 | アーモンド、インゲン豆、あずき、大豆、サヤインゲン、そば、カシューナッツ、トウモロコシ、グルテン小麦、緑豆、カラスムギ、ピーナッツ、ピスタチオ、玄米、白米、ライ麦、ごま、くるみ、全粒粉 |
魚介類 | あわび、はまぐり、たら、かに、いか、かき、金目鯛、鮭、すずき、えび、まぐろ、ほたて |
フルーツ | りんご、アボガド、バナナ、マスクメロン、チェリー、ココナッツ、ぶどう、グレープフルーツ、キウイ、レモン、マンゴー、オレンジ、パパイヤ、桃、パイナップル、いちご、すいか |
その他 | ココア豆、コーヒー豆、はちみつ、さとうきび、緑茶、パン酵母、ビール酵母 |
スパイス | カレー粉、しょうが、マスタード、黒コショウ、赤唐辛子、バニラビーンズ |
219品目 | |
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野菜/藻類類 | 寒天、わかめ、アスパラガス、ナス、ビート(てんさい)、ブロッコリー、ニンジン、カリフラワー、セロリ、キャベツ、キュウリ、ニンニク、ショウガ、昆布、リーキ(西洋ネギ)、レタス、もやし、マッシュルーム、オリーブ、タマネギ、ピーマン(ミックス)、ジャガイモ、かぼちゃ、ラディッシュ、ほうれん草、サツマイモ、トマト、カブ、スピルリナ、アーティチョーク、芽キャベツ、赤キャベツ、チャード(フダンソウ)、チコリ、ルッコラ、エシャロット、バターナッツかぼちゃ、クレソン、キャッサバ |
乳製品/卵 | カゼイン、チーズ(ミックス)、卵白、卵黄、牛乳、ホエイ、ヨーグルト、α–ラクトアルブミン、β–ラクトグロブリン、バッファロー乳、ヤギ乳、羊乳 |
肉類 | 牛肉、鶏肉、馬肉、ラム、豚肉、カモ、ヤギ、ウズラ、ウサギ、七面鳥、ヴィール(子牛肉)、鹿肉、イノシシ肉 |
穀物(グルテンを含む) | 大麦、デュラム小麦、グリアジン(グルテン)、オート麦、ライ麦、スペルト小麦、小麦、小麦ふすま、麦芽 |
穀物(グルテンを含まない) | ソバの実、トウモロコシ、キノア、白米、アマランス、ミレット(キビ)、タピオカ |
ナッツ類 | アーモンド、ソラマメ、サヤインゲン、キドニー豆、カシューナッツ、栗、ヒヨコ豆、ココナッツ、銀杏、緑豆、エンドウ豆、ピーナッツ、ピスタチオ、菜種、あずき、ゴマ、大豆、西洋クルミ、白インゲン豆、ブラジルナッツ、キャロブ、フラックスシード、ヘーゼルナッツ、レンズ豆、マカデミアナッツ、松の実、ヒマワリの種、タイガーナッツ |
魚介類 | シーバス(スズキ目)、ハマグリ/アサリ、タラ、カニ、ウナギ、サバ、タコ、カキ、鮭、イワシ、ホタテ貝、鯛、エビ、イカ、マグロ、アンチョビ、カメノテ、鯉、キャビア、赤貝、コウイカ(スミイカ)、メルルーサ、ニシン、ロブスター、アンコウ、ムール貝、シーパーチ(スズキ亜目)、カレイ、マテ貝、シタビラメ、メカジキ、マス、ヒラメ |
フルーツ | リンゴ、アボカド、バナナ、ブルーベリー、チェリー、ブドウ(ミックス)、グレープフルーツ、キウイ、レモン、マンゴー、メロン(ハニーデュー)、オレンジ、桃、洋梨、パイナップル、イチゴ、スイカ、アプリコット、ブラックベリー、ブラックカレント(カシス)、クランベリー、デーツ、イチジク、グアバ、ライム、ライチ、マルベリー、ネクタリン、パパイヤ、プラム、ザクロ、レーズン、ラズベリー、レッドカレント、ルバーブ、タンジェリン(みかん・ポンカン) |
スパイス | バジル、赤唐辛子、シナモン、カレー粉、マスタード、パセリ、コショウの実、ペパーミント、バニラビーンズ、アロエベラ、アニシード、ベイリーフ(月桂樹の葉)、カモミール、ケイパー、カイエン、クローブ、コリアンダー、クミン、ディル、フェンネル、朝鮮人参、ホップ、リコリス(甘草)、マージョラム、スペアミント、ネトル(西洋イラクサ)、ナツメグ、ローズマリー、サフラン、セージ、タラゴン、タイム |
その他 | カンジダ、サトウキビ、カカオ豆、コーヒー、ハチミツ、紅茶、緑茶、製パン用イースト、醸造用イースト、トランスグルタミナーゼ |
検査方法
採血をさせて頂き、アメリカの専門ラボへ郵送致します。三週間ほどで検査結果が分かります。