皆さんは検診を受けておられますか?

婦人科検診という言葉をよく聞くようになりましたが、「検診=がんを見つける」という目的で行われており、子宮頸がんを見つけるための細胞診(細胞を採取して病理検査に回す)と乳がんを見つけるためのマンモグラフィーや乳腺超音波検査が一般的です。

検診を受けるのを躊躇する理由のにはいくつかあると思いますが

・痛いのではないか

・被曝は大丈夫?

・忙しい、恥ずかしい 等など

きっとまだ自分は受けなくても大丈夫、今までも大丈夫だったし・・・

と思いながら先延ばしにしてしまうこともしばしば。

ここで、皆さんはMRIという選択肢があることをご存知でしょうか?

MRIは大きな磁場装置の中に入って、

身体を触ることなしに、被曝することもなしに、当然痛みもなく

身体の中をキレイに画像化して診ることができる、とても女性に優しい検査です。

特に症状がなくても、偶然見つかる病気もあります。

例1)子宮筋腫:子宮は平滑筋という筋肉の組織が袋状になったものです。筋腫はその筋肉組織が増殖してかたまりを作っています。エストロゲンとの関連があると言われています。

出来た場所や数によって、症状や治療法も異なります。

真ん中に見える塊のような陰影が子宮です。その中に黒い結節が複数見えますが、これらが筋腫です。

例2)子宮腺筋症:子宮筋層に子宮内膜組織とそれを囲む子宮内膜間質が存在する状態のことを指します。本来、子宮の内膜と筋層との間には境界があり、筋層の中には内膜腺は存在しません。原因は諸説ありますが、エストロゲンによって内膜の増殖が起こりますので、ホルモンと深い関係があります。

真ん中に見える袋状の組織が子宮です。内膜は粘液などが分泌されるため白く見えています。筋層の中に白いブツブツとした点状の構造が見えますが、これが本来は筋層の中には入っていかないはずの内膜が筋層内に侵攻している状態と考えられます。

超音波では、腺筋症と筋腫の区別がつきにくいこともありますが、MRIではこのように病変を明瞭に捉えることができるので、婦人科疾患では特にMRIでの診断が有用です。

閉経が近づくと、筋腫や腺筋症は増大しやすく、月経過多や月経困難症が増悪します。

気がつかないうちに悪性の腫瘍が出来ていることもあり、MRIで早期発見できることもあるのです。

結婚して妊娠したいな・・・と思ったら、子宮や卵巣に異常が見つかるというケースも多々あります。

当院では、20代以上の女性にスクリーニングとして骨盤部のMRIを受けて頂くことをお勧めしています。

またホルモン補充療法を行っている方には、定期的にMRIでのスクリーニングをお勧めしています。

 

乳がんについては、マンモグラフィーや超音波検査がスタンダードですが

DWIBS法を使ったMRI検査がより早く正確に発見できるということをご存知でしたか?

MRIの台の上にうつ伏せになり、装置の中に入っているだけで

両側乳房のスクリーニングがあっという間にできてしまう検査です。

また、日本人女性は乳腺濃度が高く、デンスブレスト(高濃度乳腺)といってマンモグラフィーでは正常の乳腺組織の中に癌組織が埋もれてしまってよく見えないことがあるということが問題となっています。このような方はマンモグラフィーの結果を説明するときに、「あなたはデンスブレストですよ」ということを患者さんに伝えることが推奨されています。そして、見落としを防ぐために超音波の検査も同時に受けることが望ましいとされています。

ここでもMRIが威力を発揮します。MRIではデンスブレストによる影響を受けずに病変を浮かび上がらせることができます。

https://www.dwibs-search.com/overview

被曝がなく繰り返し行えて、かつ早期に発見できるということで

特に遺伝性乳がん卵巣がんの素因を持つBRCA1/2遺伝子を持っている方には、6ヶ月毎に受けることが推奨されている検査です。

家族や親戚に乳がん・卵巣がんの方がおられる場合は、気をつけて頻回に受けて頂くことをお勧めします。

*詳しい説明はこちら → MRI乳がん検診

 

<検査の予約から実施・結果説明までの流れ>

当院受診・問診 → 検査内容の決定 → 検査予約

→ 検査機関にてMRI検査 → 後日 当院にて結果説明

*病気が発見された場合、治療のオプションについても幅広くご提案いたします。

(近くの画像センターと遠隔で結ばれており、検査そのものは歩いて10分ほどのところにある画像センターで行って頂きますが、予約や結果説明は当院で行います。)

すでに筋腫など病気と診断されている方は、保険診療としての画像検査を依頼することができますのでお知らせください。

細胞診や超音波検査は当院では行っていませんので、必要な場合は他院をご紹介しています。

MRIのデメリットは、検査中の音が大きいこと(ヘッドフォンや耳栓で軽減できます)、閉所恐怖症の方には長時間は厳しいかもしれないこと、動脈瘤クリップやペースメーカーなどの金属が体内にある方は検査が受けられないことなどです。これらに該当する場合は、希望されてもMRIを受けて頂けないこともありますので、予めご了承ください。

 

MRIの有用性、少し身近に感じていただけましたか?

女性特有の病気はホルモンに関係していることが多く、ホルモンバランスを整えることと同時に、良性の病気であっても早く発見して治療してあげることで、一人でも多くの女性がしあわせに人生を歩んでいくお手伝いができればと思っています。

「他院でMRIを撮ってもらって説明を聞いたけどよく分からなかった」という方、

画像をCDなどで持参して頂ければ、詳しくご説明することも可能です。

「ホルモン療法や子宮の手術などを勧められたけど迷っている」

そんな方からのご相談も受付けています。

ご自身の大切なからだのことです。よく考えて、ピンときた方はご連絡ください。