更年期ホルモン療法MRTとホルモン補充療法HRTの違い
みなさま こんにちは!
さて、今日は最近アメリカで提唱されている更年期に伴う2つのホルモン療法の違いについてお伝えします。
一つはMRT(Menopausal Hormone Therapy)更年期ホルモン療法で、更年期にまつわるホットフラッシュや寝汗などの不快な症状を軽減するために最低限の量のホルモンを短期間だけ補充するというものを指します。日本の保険診療で行われているホルモン補充療法と呼んでいるものはこちらに該当すると言えます。
もう一つは、HRT(Hormone Replacement Therapy)ホルモン補充療法で、卵巣機能が失われて十分産生されなくなったホルモンを全身の細胞が上手く機能するためにある程度十分な量のホルモンを補って健康長寿(Healthy longevity)を実現しようというものです。
当院で目指しているのは、主に後者のほうのホルモン補充療法HRTです。年齢とともに卵巣機能が低下して女性ホルモンが減少しますが、脳や心臓、骨や筋肉、皮膚、甲状腺などあらゆる組織や細胞にはホルモンの受容体があり、シグナルを受け取ることで機能しています。そのホルモンが不足し欠乏していくために、代謝や機能が下がりいわゆる老化と言われる現象がおこります。
このように、更年期以降の健康を維持するためにはホルモンが鍵です。しかもマスターキーのように、あらゆる臓器、組織、細胞に作用します。
ホルモン療法に使用されるホルモンにも2種類あり、保険診療で用いられる合成ホルモンと、ヒトが体内で産生するホルモンと同じ化学構造を持つ生体同一性ホルモンBio-identical Hormone(いわゆる天然ホルモン)です。
天然ホルモンというと勘違いされやすいのが、動物や自然界に存在するホルモンを総称して言われる場合があります。ここでいう生体同一性ホルモンBio-identical Hormone(いわゆる天然ホルモン)とは、人間のホルモンと化学構造式が同じという意味で、Human Bio-identical Hormoneヒト生体同一性ホルモンのことを指しています。